2008年9月アーカイブ

自民党総裁に麻生氏が選出され、麻生首相が誕生する事になりますが、国内の景況は年末に向け一層暗さを増していくと思われます。一般企業のマーケティングは景況が下り坂の中では効果が薄い事は言うまでもないのです。特に高齢化が進む日本では、高齢者の消費を期待できない現状では企業は思い切った方向転換を余儀なくされます。

後期高齢者医療制度の見直しが注目されていますが、問題となった保険証は決して親切なものであるとは言えません。高齢者の医療に関する制定が老人保健法で定めた制度から後期高齢者医療制度へと変更された事で、健康保険に加入していた75歳以上、若しくは一定以上の障害を持った65歳以上の高齢者は、健康保険から脱退しなくてはならなくなりました。
つまり、これまで持っていた健康保険の保険証は使えなくなったのです。

発行される保険証は、県後期高齢者医療広域連合によって発行される後期高齢者医療被保険者証です。後期高齢者医療制度が長寿医療制度へと名前が変更されたので、長寿医療被保険者証という名称に変わりました。この保険証が、今後高齢者が病院に持って行き、窓口で見せる保険証となります。

これまでは健康保険証に加え、医療受給者証という証明書が必要でしたが、高齢者と健康保険加入者との明確な区分ができたことでその証明書は意味をなくし、今後は必要がなくなりました。
2枚必要だったものが1枚で大丈夫になったのです。

ただ、この後期高齢者医療被保険者証が発行されているということを知らず、自分の元に届けられた新たな保険証を捨ててしまったという高齢者が急増しました。事前の告知が不十分だったり、不用意だったり、その責任の置き所には様々な意見が飛び交っていました。再発行は、市役所の窓口で行われているようです。大抵の市町村には長寿医療制度(後期高齢者医療制度)専用の窓口ができているので、そこで問い合わせれば大丈夫でしょう。
後期高齢者医療被保険者証一つを取っても国民の目線に合っていなかったのです。相手の立場を無視したお役所仕事の典型例です。

舛添要一厚生労働相は九月二十日のTBS番組で、七十五歳以上を対象に四月に導入された後期高齢者医療制度について廃止に踏みきり、年齢で区分しないことなどを柱とする新制度の創設を検討する方針を表明しました。野党は「選挙目当てのパフォーマンス」(福島瑞穂社民党党首)と一斉に批判、与党内からも突然の方針転換に戸惑いの声が出ています。舛添氏の発言は党の決定でもなく現内閣内でも意思統一されていないようです。

元々後期高齢者医療制度の制定によって、高齢者に負担がかかるようになったという認識が強まっていましました。特に、年金から天引きされる制度に関しては、かなりの不快感、抵抗が見られたのです。毎日のようにニュースで見かける苦情の声は、ほとんどが後期高齢者医療制度に関してか、説明の怠慢を指摘する声です。

年金から天引きするという行為に対し、与党の意見は「高齢者の手続きを簡易化する」「経費の削減に繋がる」という、一見合理的、論理的な説明を行ってきましたが、これはあまり効果的とはいえないのです。

高齢者にとって、年金とはライフラインそのものです。命綱なのです。そこから決して小額ではないお金が減って行くという感覚は、命を削られているような感触に等しいのです。後期高齢者医療制度の年金からの天引きは、その心情を無視した行為なんです。当然感情的反発を受けます。

特に低所得の高齢者にとっては、強制的に年金から天引きされる事が、まるで老後の生活を国から黒く染められているように感じてしまうでしょう。老後の生活を支える年金を奪われている、と認識するのは当然の事です。

後期高齢者医療制度は、あまり国民に対して親切な制度とはいえません。保険証カードや説明のパンフレットの文字の大きさをとってみても、高齢者の立場になった考え方ではない、というのが見て取れます。高齢者の心情を無視したこういった数々の愚行は、高齢者に負担を押し付けているという心情を呼び起こさせるには十分だったと言えます。

見直しは一刻も早く行い、信頼を取り戻さなければ、今後更に政治、特に与党に対する不信感は払拭できないでしょう。
この後期高齢者はマーケティングでも今後大切な層になってくるのです。

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